台湾花布について、簡単にまとめてみました。

台湾花布
(たいわんはなぬの)とは、台湾で生産されたプリント生地のことである。

1950年代後半、台湾の紡績産業の急速な発展に伴い、綿プリント生地の生産量も伸びを見せたが、まだこのころはわずか5、6色を使った単純な格子柄や小花模様が代表的なデザインであった。

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1960年以降、日本から新しい機械と技術が導入されると同時に、日本の花柄などを参考にしたより立体的なデザインが増え、色も10色以上とカラフルになった。
中華圏でおめでたい時に好んで使われる鮮やかな赤、南国らしさあふれるスカイブルーなどの生地に、富の象徴である牡丹や四季折々の花々が描かれたものは今でも人気の代表的なデザインである。

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また、花柄以外にもチェック、幾何学模様、風景画、動物のキャラクターなどの柄が作成された。

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大量生産されるようになると、大きな花柄を生かして、主に寝具などに使われた。そのため多くの台湾人は花布に対して「おばあちゃんちの布団の生地」という懐かしいイメージを持っている。

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1960〜1980年代は台湾花布のデザインの種類と生産量が最も多かった時期である。

1987年以降、多くの工場が中国に進出するようになると、花布は残された設備を引き継いだ工場での生産となった。
花布の主な用途は手作りの布団であったが、工場での大量生産や輸入品が増えてくると、次第に昔ながらの花布の需要は減り、生産も停滞するようになった。

1990
年代の終わり、台湾独自の文化を復興・保存しようという動きが起こり、2000年代に入ると花布も再び注目されるようになった。
2002年には客家(はっか)族の文化を紹介するイベントなどで多用されたため、若者を中心に花布=客家というイメージが広まり、客家花布(はっかはなぬの)とも呼ばれるようになった。

現在は外国人観光客からの人気も高まり、再び新しい色やデザインの花布が生産されるようになった。台湾のキャス・キッドソンとも呼ばれ、花布を使用したバッグやポーチなどの小物が台湾土産として街角に並んでいる。

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なお台湾花布と命名したのは、花布研究の第一人者であり、書籍の著者でもある呉清桂氏である。


「台灣的設計寶庫 傳統花布圖樣150」
呉清桂 著

「收藏台灣最美麗的情感與記憶 台灣花布」
呉清桂 著

「花樣時代 台灣花布美學新視界」
陳宗萍 著




台湾花布に関する書籍を日本語で読みたい方には、
「花樣時代 台灣花布美學新視界」の日本語訳版である、「台湾花模様 美しくなつかしい伝統花布の世界(グラフィック社)」がおすすめです。商用利用可能な画像データのDVD-ROMが付いているので、台湾花布の画像データを入手したい方にもおすすめです。
現在新品はほとんど見かけませんが、中古品でしたらネット書店などで購入可能です。

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※2020/07/08に投稿した記事をリライトして再投稿しました。